鉄骨造4階建の新築住宅の計画。
南面接道の敷地である程度の採光を見込めるものの道路復員は小さく、三方は建築物に囲まれている。また、地中障害として既存建築物の基礎コンクリートおよび杭が存置されており、高額な撤去費用を鑑みて、解体範囲を抑える工夫をする必要があった。
そこで敷地境界線近傍ではなく、既存基礎との干渉がないかつ求められた二台の駐車に影響のない範囲で柱を落とし、各階の平面をそこから片持ちさせてずらしながら重ねてボリュームをつくることで、鉄骨造ならではの軽やかな建築概形を目指した。空隙に外部空間やバルコニー・トップライトを挟むことで、建築物が密集する周辺状況のなかで、自然光を取入れた環境を作ることを考えた。
諸室の配置として、一階:駐車場・収納、二階:サンルーム・寝室・洗面・バスルーム、三階:LDK・バルコニー、四階:子ども部屋という構成とした。建築主の要望として設けたサンルームは、寝室に間接的に日照と採光を運び、明るさ・開放感とプライバシーを両立させるように計画した。バルコニー前面にはルーバーを設けて、インナーテラスのような設えとした。内外装の配色は建築主の嗜好およびリファレンスとして周囲の建築物から引用しながら検討し、暖色系を基調に赤錆色を差し色とした。
防火地域の制限と建築規模から耐火建築物として計画した。竪穴には防火区画が必要とされるため、吹抜けは設けず階段は1箇所にまとめた。また、将来的にエレベーターを設置できるように先工ピットを設置し、当該箇所に関して構造体に手を加えることなく将来工事に対応できるような計画とした。
設計監理:KOKO+ inc.
構造設計:円酒構造設計
施工 :キクシマ
造作家具:ヤマシタプランニングオフィス
置き家具:カンディハウス
カーテン:フジエテキスタイル
設計期間:2021年4月-2022年6月
工事期間:2022年8月-2023年8月
計画地 :神奈川県横浜市
規模構造:鉄骨造 地上4階
主要用途:専用住宅
延床面積:199.63㎡