外部空間をpublic / common / privateに分類し、それを纏うようにボリュームを組み合せた住宅の提案。
隣家がアプローチの際に敷地わきの通路を利用せざるを得ないという点で、commonの形成を期待できる条件となっているが、外部空間の性格を限定しないことで、住まい手のアクティビティを選択的にできると考えた。
内部の空間構成は2階建てのスキップフロア形式で長手方向に伸びやかな、連続した空間としている。出入はダイニングルームから行い、水回りの上に配置したリビングルームには建具を取り付けられるようにして、家族の変化に対応できるような計画としている。
比較的狭小住宅が密集している区域であるため、publicのニワとcommonのニワ廻りを除いて、採光と通風のみに特化したサッシュとして、見る/見られるという関係が現れないような開口部としている。
限られた面積のなかで、にわが回り込んでいくことにより、またボリュームを嵌合させることにより、内部・住まい手と外部・他者とのインティマシーにふれ幅を与えることができるのではないかと考えている。
設計 ：小林 宏輔
設計期間：2018年
計画地 ：東京都杉並区
規模構造：木造・地上2階
主要用途：専用住宅
延床面積：70.60㎡